グループクロストーク Vol.03 国内建材ビジネスとモノづくりの未来を語る グループクロストーク Vol.03 国内建材ビジネスとモノづくりの未来を語る

国内の鉄鋼需要の半分を占める
建材ビジネスやモノづくりの未来について、
関連するグループ会社のキーマンに
集まってもらい、座談会を実施しました。
各社の中期経営計画の策定に携わった
メンバーを中心に、
熱い議論が展開されました。

メタルワングループの力を
結集し、新たな価値を創出

まず初めに各社の概要と
業界内での立ち位置などを教えてください。

エムエム建材(株) 経営企画室長 片岡 仁さんが語る様子

片 岡

エムエム建材はメタルワンと三井物産の建設鋼材事業と製鋼原料事業を統合し設立した会社で、今年で設立11年目になります。国内外での建設用鋼材とスクラップの販売や鉄骨工事などを手がけており、業界では最大手の一角となっておりますが、常にチャレンジャーの精神を持って取り組んでいます。また本日ご参加の各社とも継続的にお取引させていただいており、大変お世話になっておりますことをこの場をお借りして御礼申し上げます。
エムエム建材(株) 経営企画室長 片岡 仁さんが語る様子

坂 本

朝日機材は竹中工務店の系列会社として発足し、三菱商事、メタルワンの資本参加を経て、今年で創業78年になります。建設現場で使われる多種多様な仮設資材のレンタル・リースとデッキなどの工事を中心に事業展開しています。竹中工務店をはじめとする建設現場で培ってきたノウハウを活かし、現場のニーズに応える技術力や信頼性で評価をいただいています。

細 見

玉造は1946年に創業し、鋼材や非鉄金属の販売から事業を開始しました。2005年にメタルワンのグループ会社となり、07年に現社名へ改称しました。現在は鋼板のガス切断・レーザー切断などを中心に行う一次加工業者として、主に店売りを主体としたビジネスモデルで、全国の顧客に対し、短納期・小ロット・多品種で製品を提供しています。

山 中

住商メタルワン鋼管は2019年に住友商事グループとメタルワングループの国内鋼管事業が統合して設立されました。建築・プラント・産業機械・自動車など幅広い分野に対応し、全国42拠点で事業を展開しています。業界トップの規模を誇り、一次商と店売り・リテールの機能を併せ持つことが強みです。

亀 岡

エムオーテックは1953年に設立し今年で73年目を迎えました。全国に21営業拠点と17工場を有し、建設現場に不可欠なH形鋼や鋼矢板など重仮設資材のリース・販売から工事までを手がけています。近年は工事の比率が高く、サブコン的な立ち位置で現場に深く入り込んでいます。

国内のマーケットの状況や課題を
どのように見ていますか?

亀 岡

国内全体の建設需要は先細り傾向にありますが、首都圏では大型再開発が続いており、九州や北海道でもデータセンターなどの特需で忙しい状況です。ただ、これがいつまで続くかは不透明です。首都圏については、受注はあるものの、人手不足などからなかなか工事が始まらないケースもあります。また、近年仮設資材の調達価格が高騰し、リースのみでの競合は厳しくなってきています。そのため、工事受注の重要性は高まっており、施工の省力化や安全性の向上による差別化が今後の生き残りの鍵になります。

片 岡

インパクトが大きかったのは、建設業における2024年問題で、人手不足の問題を抱える中、残業規制により工期遅延・選別受注が加速したことです。亀岡さんもおっしゃったように案件はあるのに先送りされる“潜在需要の遅れ”が起き、この影響から国内の建設鋼材とスクラップ需要は想定以上に減少しましたが、これは構造的な問題だと捉えています。
わが社は原料から製品までのサプライチェーンに幅広く関与しておりますが、現有機能はトレーディングに偏重しており、トレーディング以外の収益軸を確立していくこと、人手不足がボトルネックとなる社会課題の解決の担い手になる事が課題であります。
朝日機材(株) 経営企画室・経営企画課長 坂本 裕さんが語る様子

坂 本

仮設資材のリース業から見ても、足元の案件は確かに少ないですね。作業員の高齢化や人材不足が進んでおり、わが社の仮設資材を保管・整備する管理センターでも同様の課題となっています。このため機械化やDXによる省人化が急務と考えています。建設業界はデジタル化が遅れていると言われてきましたが、最近はかなり進展しており、わが社も社内のデジタル化に注力しています。
朝日機材(株) 経営企画室・経営企画課長 坂本 裕さんが語る様子が語る様子

山 中

わが社は鋼管事業に特化していますが、やはり総じて需要は減少傾向です。とくに土木建築分野では作業員不足や工事の停滞が顕著です。業界トップの位置にありますが、個別の商品、業界を見ると必ずしもそうではなく、それぞれの分野でナンバーワンを目指すという中期経営計画のもと、二次加工まで含めたパッケージでの提案や調達機能のアウトソースを求める顧客に対応したコンサルティング型の営業にも力を入れています。

細 見

弊社は産業機械向けの鋼板一次加工を手がけており、建築業界とは少し離れた立場ですが、弊社の視点として参考になればと思います。近年は国内の切板需要の減少傾向が続いており、競争環境も一段と厳しくなっています。こうした環境下でも弊社は顧客に密着してニーズを捉える営業をさらに強化しており、加えて、独自開発の受発注情報共有システムである「ユーザーページプラス」を活用し、取引先との連携を深めながら、付加価値と顧客満足度の向上に取り組んでいます。

現場の声を聞き、“自分たちの”中経を策定​

業界の課題認識を踏まえ、
どのような中期経営計画を策定しましたか?

(株)玉造 経営管理部長 細見晃生さんが語る様子

細 見

弊社の中期経営計画は2025年度から27年度までの3年間を対象としています。前回以上に現場との一体感を高めるため、今回は役員・事業所長・コーポレート部長が各施策の責任者となり、全社一体となるように策定しました。25年7月には全社員を集め、中経発表会を開催し、各責任者が社員へ直接訴えることで、現場への理解、浸透を図った結果、各施策に関する前向きな質問も出るなど、中経への理解と意欲の高まりを感じています。
(株)玉造 経営管理部長 細見晃生さんが語る様子

坂 本

今年4月にスタートした「2025-2027年中期経営計画」では2027年に創業80周年、その先の2030年の節目を迎えるにあたり、“2030年のありたい姿”を管理職全員にアンケートして、それをベースに重点施策を検討しました。スローガンは「“つくるを支える”プロフェッショナル集団へ」。仮設資材は形には残らないものですが、建設現場にとっては必要不可欠なもの。単なる資材の提供や施工だけでなく、専門的な知識とスキルを活かして現場に貢献できる企業を目指しています。中経策定にあたっては、意見をまとめるのが大変でしたが、あえて背伸びした2030年のありたい姿の目標を掲げることで、会社全体の成長を促すようにしています。

片 岡

わが社は今年度より新しい中計をスタートさせました。策定にあたって意識したのは、社員一人ひとりが“自分ごと”として感じられる中計にすることです。会社から一方的に与えられた計画ではなく、「自分たちの目標」として受け止めてもらえるよう心がけました。スローガンは「成長軌道の確立」。成長戦略と基盤強化の2つの柱からなり、中核事業の強靭化に加え、M&Aも活用した事業領域の拡大と長期目線による次世代事業への取組みにより、「次世代サプライチェーン」の構築に挑戦するものです。

山 中

2024年からの第2次中経は「それぞれのNo.1を目指して」をスローガンに、総合力だけではなく個別分野でもNo.1を獲ることで、さらなる成長を目指しています。営業本部ごとにKPI(重要業績評価指標)を設定して、現場に落とし込むとともに、中経ポータルサイトを立ち上げて進捗を可視化しています。短期利益にとらわれ過ぎず、長期目線での価値の最大化を重視するようにしていますが、そのマインドセットを浸透させることも今後の課題と認識しています。

亀 岡

私は営業ですので、中経策定には間接的に関わったのみですが、今年スタートした新中経の柱は「高収益化」「グリーン化」「DX化」の3つです。「高収益化」では人手不足を背景に「一人ひとりの稼ぐ力」をより強くすることを目指しています。隣接事業へ事業領域を拡大し、施工方法や材料に付加価値を持たせ、選ばれる会社になることが目標です。「グリーン化」ではグリーン鋼材やバイオ燃料、低炭素セメントの活用を進めています。また「DX化」では地形や建物を瞬時に把握できる3次元の「点群データ」を組み合わせたBIM/CIMと呼ばれるシステムの内製化も進めています。私自身は工事部門をより強化してサブコン化することによって、人手不足などの業界課題に応えていくことが重要だと考えています。

グループ連携のカギはメタルワンのリーダーシップ

メタルワングループの連携について、
どのようにお考えですか?

片 岡

皆さんの話を聞いて、各社が抱える課題はかなり共通していると感じました。それぞれがソリューションを持っているので、連携すれば時間もコストも節約できるはずです。ただ、連携を進めるには“スモールスタート”が重要だと思います。大きな構想を掲げるよりも、まずは小さな事例から始めて、スピード重視で動くことが大切。そのためにも、メタルワンには旗振り役としてリーダーシップを発揮していただきたいですね。

細 見

今回の座談会は、普段の業務では得られない多くの気づきと刺激をいただける非常に有益な機会となりました。建築業界と産業機械業界では異なる点が多く、関係性は薄いと思っていましたが、実際には共通点も多く、互いに参考にできる取り組みが数多くあると感じました。こうした交流を通じて自然なつながりやシナジーが生まれると思います。グループ全体を俯瞰できる立場にあるメタルワンさんだからこそできる役割だと思いますので、今回のような座談会を今後も定期的に企画・設定し、グループ会社間のキーマンをつなぐ役割を担っていただけると大変有り難く思います。

坂 本

他社の経営企画の方がどんなことを考えているのか知る機会は少ないので、今日のような場は非常に有意義でした。ただ、こうした場がわれわれだけでなく、営業や事務、現場などでも気軽にできるといいですね。例えば、テーマを絞った少人数のクロストークや現場レベルでの情報交換など日常的にグループの連携の仕組みがあると、もっと実務に活かせるのではないかと感じました。
住商メタルワン鋼管(株) 経営企画チーム サブリーダー
 山中理寛さんが語る様子

山 中

同じ経営企画という立場で、皆さんと答え合わせができたようで、今日はとても勉強になりました。わが社の株主の半分は住友商事ですが、エムエム建材さんも三井物産が入っておられます。メタルワングループには多様な文化が混在しており、それぞれのノウハウが蓄積されています。この“知の集積”を活かすためにも、メタルワンには率先して新しい価値を創出する仕組みを作ってもらいたいですね。営業面でも、様々な情報を共有することで、思いもよらないシナジーが生まれる可能性があると思います。
住商メタルワン鋼管(株) 経営企画チーム サブリーダー
 山中理寛さんが語る様子

亀 岡

エムエム建材さんや朝日機材さんとは普段から協業していますが、その他のグループ会社とも、一緒にできることは多々あると思うのです。例えば、どの会社にとっても共通の課題である物流や人材、DXなどで協業できればメリットがあるはずなのに、どうしても自社の仕事に手一杯でなかなか深いところまで進まない。良いアイデアがあっても、考えているうちに機会を逃してしまうこともありますので、スピード感のある対応が重要だと考えています。

最後にメタルワンへの期待やグループ全社員への
メッセージをお願いします。

山 中

メタルワングループの中で、わが社がどういう役割を果たすべきかを考える良い機会になりました。単なる情報共有ではなく、「価値の創出」につながる連携を目指したい。そのためにも、メタルワンが“つなぎ役”として、現場と経営、営業と企画など異なる視点を結びつける役割を担っていただけると有り難いと思います。
(株)エムオーテック 営業部・営業第二課長 亀岡重德さんが語る様子

亀 岡

現場に近い立場として、スピード感と柔軟性が何より重要だと感じています。グループ内での連携も形式にとらわれず、まずは「やってみる」ことが大切だと思います。メタルワンとの連携強化によってアイデア止まりのことを具現化していきたいと思います。今日の座談会がそのきっかけになるといいですね。
(株)エムオーテック 営業部・営業第二課長 亀岡重德さんが語る様子

坂 本

仮設資材というニッチな分野にいると、視野が狭くなりがちですが、今日のような場で他社の取り組みを知ることで、新しい視点が得られました。グループとしての連携はまず「互いを知ること」から始まると思います。お互いの強みや課題を共有し、そこから自然な協業が生まれるような仕組みづくりをぜひ一緒につくっていきましょう。

細 見

今回の座談会で得た気づきは自社の強みや課題を見直すきっかけにもなりました。今後はメタルワングループ全体で現場起点の改革を進めるためにも、職種や業種を越えて率直に意見を交わせる場が継続的に設けられることを期待しています。私自身も、そうした場を通じて得た視点を自社の成長に結びつけ、グループ全体の価値向上にも貢献していきたいと考えています。

片 岡

今日の座談会を通じて、グループ内にこれだけ多様な知見と経験があることを改めて実感しました。そのリソースを活用すれば、様々な課題に対する最適解を見つけることが可能です。ただ、「グループの連携」というものを優先順位に上げないと、結局は絵に描いた餅で終わってしまいます。先ほども話しましたが、小さなことでもいいので、とにかく一緒に何かに挑戦してみることが大事。失敗してもいいと思います。その旗振り役を担えるのは全体を俯瞰して見ることのできるメタルワンに他なりません。そのリーダーシップを大いに期待しています。

本日はありがとうございました。

スピーカー5名がにこやかに笑って談笑する様子

SPEAKER

  • エムエム建材(株) 経営企画室長 片岡 仁さんの写真

    片岡 仁さん

    エムエム建材(株)
    経営企画室長

  • (株)エムオーテック 営業部・営業第二課長 亀岡重德さんの写真

    亀岡重德さん

    (株)エムオーテック
    営業部・営業第二課長

  • 朝日機材(株) 経営企画室・経営企画課長 坂本 裕さんの写真

    坂本 裕さん

    朝日機材(株)
    経営企画室・経営企画課長

  • (株)玉造 経営管理部長 細見晃生さんの写真

    細見晃生さん

    (株)玉造
    経営管理部長

  • 住商メタルワン鋼管(株) 経営企画チーム サブリーダー 山中理寛さんの写真

    山中理寛さん

    住商メタルワン鋼管(株)
    経営企画チーム サブリーダー

(2025年9月現在)