Conceptデジタルとリアルを掛け合わせたDX戦略を推進し、
自らの業態変革と共に鉄鋼産業全体の競争力強化にも貢献していきます

脱炭素社会の到来や地政学リスクを鑑みたサプライチェーンの強靱化など、将来に向けて鉄鋼産業全体が取り組むべき課題が山積しています。その中で流通・加工を担う当社としては、今まで以上にデジタル技術を活用し、それをリアルのオペレーションと掛け合わせることで、自らも業態変革に挑戦しながら、高度化・複雑化する課題に応える新たな機能や価値を創造し、鉄鋼産業全体の競争力強化に貢献して参ります。

副社長執行役員 兼 CDO

DX Visionリーンオペレーションによる機能強化と
ソリューションビジネスによる新たな価値提供

高度化・複雑化する産業課題解決に向けた「変革」の柱として、メタルワングループ自身の商社・流通機能を強化するリーンオペレーションの実現と、お客様の課題を新たな価値提供によって解決するソリューションビジネスの展開という2本柱を掲げ、多くの取り組みを推進しています。

リーンオペレーション業務オペレーションの自動化

定型オペレーションを極力自動化し、よりお客様への提供価値向上やサプライチェーン全体の競争力向上に注力するため、各種デジタルツールを活用した業務効率化や生産性向上にグループ一丸となって取り組んでいます。また、これらの取り組みの過程で業務課題を明らかにすることで、ツール活用に限らない業務オペレーションの改善も進めています。

スマートシェアード

スマートシェアードとは、ただ単に業務を集約する従来型のシェアードサービスとは異なり、デジタル技術やグループ人材の専門性を活用して、業務の自動化、効率化を徹底的に追求し、高度に最適化された業務プロセスの構築を目指すものです。
2023年10月1日には、基幹システムが標準化されているグループ企業の財務・経理・審査業務を集約しました。

ソリューションビジネスMetal X®

自動車鋼板流通に関わるサプライチェーン企業を1つの企業体と見立て、同じシステムを使用しデータをシェアすることで企業間コミュニケーション、オペレーションを効率化・円滑化するデジタル・プラットフォーム「Metal X®」を構築しました。自動車部品から鋼材までの部品表情報と自動車メーカーの生産計画に基づいて、発注に必要な鋼材所要量を自動算出するなどの機能を備えており、順次サービスは拡張予定です。

ニュースリリース

Metal X UP

鉄鋼サプライチェーンにおける様々な課題の解決を志向したコミュニケーションプラットフォーム「Metal X UP」の開発・提供を進めています。ミルシートの電子化をはじめとした“サプライチェーン上のアナログ情報のデジタル化” と債権債務自動照合や注文履歴照会などの “業務・コミュニケーションの効率化/高度化” の機能群を備え、厚板・薄板領域のお客様向けに提供を開始しました。今後更なる機能拡張を進めながら、建材や鋼管、線材・特殊鋼など他領域のお客様への展開も予定しています。

IT・デジタル基盤の強化データ基盤の構築

リーンオペレーション・ソリューションビジネスを実現する土台として、グループとして保有するデータを1か所に集めて利活用が可能となるデータ基盤の構築を進めています。現在は、各種ダッシュボード構築の他、コード・マスタの標準化や自動読替・変換機能の構築を進め、活用可能なデータ範囲を順次拡張しています。

基幹システムのグループ標準化

商社としての加工・販売・会計業務をグループ一体となって効率化・標準化すべく、基幹システムのグループ標準化を進めています。非競争領域である会計領域では外部の標準パッケージを活用した徹底合理化を進め、競争領域である加工・販売領域ではメタルワングループのベストプラクティスを標準システムとして展開することで徹底的にリーンなシステム基盤の構築を目指しています。

DX推進体制グループ会社を含む全社横断的な体制でDXを推進

わが社のDXを推進するにあたっては、グループ会社を含む全社横断的な体制を組成しています。社長以下、経営陣の大半を含むステアリングコミッティにて迅速な意思決定を行い、多数のプロジェクト・施策を横断的に連携・リードする中核組織としてCDO直轄のTMO(Transformation Management Office)を設置し、全社一体でのDXを推進しています。

DX人材育成

メタルワンでは、DXを推進する人材の育成に力を入れています。単なるIT/デジタルスキルの獲得に留まらず、デジタルを活用した事業創造・変革を推進する人材を輩出すべく、育成プロブラムや成長を促す仕組みの構築を進めています。また、座学を中心とした育成プログラムだけでなく、全社DXプロジェクトへの参画・実践など、DXの現場での成長機会も多く存在します。

育成プログラム例

共通プログラム

DXは社員の多くが推進・関与するものと考え、共通的なプログラムを用意しています。ノーコードツールでのアプリ開発を通じて、デジタルを活用した課題解決の考え方・手法を理解・獲得するだけでなく、DXのマインドを醸成することを目的としており、2023年度時点で社員の約半数が受講済/受講予定のプログラムとなっています。また、身の回りの業務課題解決を題材としたアプリ開発コンテストなども開催しています。

選抜・公募型プログラム

事業創造やDXプロジェクトをリードできる人材を育成するための選抜・公募型のプログラムを複数用意しています。IT/デジタルや事業創造の基礎を学んだ上でプロトタイプ開発に取り組む4ヵ月のプログラムや、事業創造における一連のプロセスを通じて事業開発に必要なスキルを身に着けるための6ヵ月のプログラム、従来の枠組みを壊し組み替える「デフレミーング」のフレームを用いてDX時代の事業創造を目指すプログラムなどがあります。

オンライン学習

IT・デジタル分野のコンテンツが充実したオンライン学習プラットフォーム(Udemy Business)を活用し、社長をはじめ役職員全員が自律的に学習・成長できる環境を整備しています。デジタル関連の推奨/指定講座を設けており、会社として個々人のスキルアップやリスキリングを支援しています。