ステンレス線材などの調整止め金具の開発を手がけるアルティマ。ワイヤーを差し込むだけで自動ロックされ、ピンの操作で簡単に調整可能な止め金具を独自に開発。美術品や照明などの吊下げや震災時の家具転倒防止、防鳥ワイヤー、壁面緑化など様々な製品に応用されている。「ニッチな市場だが、中小企業でもアイデアと技術があれば世の中の役に立てることを示したい」と青鹿孝行社長。
金型製作や精密プレスを得意とするヨシズミプレスは、1950年に「ケトバシ」と呼ばれる足踏みプレス機1台で事業を起こし、現在では自動プレス機34台を操るまでに成長した。二代目の吉住巌社長は「生き残るには他社がやれない精密加工に進むしかなかった」と振り返る。同社は携帯電話や文具など多種多様な部品の加工を手がけるが、求めるのは100分の1ミリ単位の高い加工精度だ。最近はデザイナーと組んで意匠性に富んだステンレス製の壁掛けフックも開発。出品したドイツの展示会での評判も上々で、“町工場発”のオリジナル商品としてマーケットに売り出す計画だ。
町工場には大手企業の「下請」というイメージがつきまとう。しかし、従来にない斬新な発想や持てる技術をさらに磨くことで、新しいビジネスモデルは創出できる。墨田区の町工場がそれを実証している。
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墨田区総合体育館にもアルティマの緑化ワイヤーが設置されている |
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ヨシズミプレスがデザイナーと組んで開発した壁掛けフック |
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100分の1ミリ単位の高い精度が求められる(ヨシズミプレス) |
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電気自動車「HOKUSAI-V」に乗る浜野社長 |
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