■若林氏と従弟の若林洋一さんらが天明鋳物の伝統文化を後世に伝えるために立ち上げた「天命鋳物伝承保存会」。若林家に現存する約1,400点もの貴重な鋳造用具を保存するとともに、地域住民を対象にした後継者育成講座などの活動を続けている。こうした取り組みに対し、日本ユネスコ協会連盟は2013年12月、地域の文化や自然遺産を未来に伝える市民活動を支援する「プロジェクト未来遺産」に同保存会を登録した。「百年以上も前の道具一式がこれだけまとまって残っている例はない」(若林氏)として、これからも伝統文化の継承に力を注ぐつもりだ。また、佐野市郷土博物館には室町時代の茶釜や鰐口などが展示されており、佐野と天明鋳物の歴史を知ることができる。 |