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Value One グループ広報誌
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Value One Summer 2004 No.05より
 

長野県の東北部に位置する人口1万7,000人ほどの静かな町。坂城(さかき)町。周囲を小高い山々に囲まれ、町の中央には千曲川が流れる。人間国宝・故宮入行平(みやいりゆきひら)刀匠は、この地で生まれ、「宮入鍛刀道場」を開き、数多くの弟子を育てた。現在、刀匠は全国に約300人ほどいるが、この地から巣立った総勢約30人もの刀匠たちは「宮入一門会」と呼ばれ、今もなお全国各地で匠の技を伝承している。名匠集団を輩出した「刀匠の町」坂城。故宮入行平刀匠の神技を受け継ぐ現代の名匠・宮入小左衛門行平氏を訪ねた。
鞴(ふいご)から送られる風で木炭が燃え上がる。真っ赤に熱した鋼を叩き、伸ばし、折り返して重ね、再び叩いて伸ばす。 1度の折り返しで2層に、2度の折り返しで4層に……、15回ほど繰り返すと鋼は約3万層にもなる。この「折り返し鍛錬」により、炭素量が少なく軟らかい心鉄(しんがね)を硬い皮鉄(かわがね)が包む日本刀独特の構造が作られる。

故宮入行平刀匠の息子でもある小左衛門行平氏。匠の技はしっかりと受け継がれている
原材料の玉鋼。丹念に鍛える ことで、折れず、曲がらず、 美しい日本刀ができあがる
しかし、この技法は江戸期以降の作刀技法。日本刀が美しさ、機能において最高水準にあった平安末期から南北朝の時代の作刀技法は、じつは神秘のベールに包まれたままだ。例えば、原材料となる玉鋼(たまはがね)。中国地方の良質な真砂鉄を木炭で炭素還元する「たたら製鉄」で作られ、現在も刀匠たちは千年以上の時を超えた「たたら」の技法で作られた島根県・横田の玉鋼を買い付け、自らの工房の炉で熱し、鍛え込んで日本刀を作る。しかし、平安末期から南北朝の刀匠が、どのような素材を使っていたかは不明だ。そのため、現代の刀匠たちは、独自に古釘や古民家の窓枠などの古鉄を買い集め、玉鋼と同じように加工し卸鉄(おろしがね)として原材料にし、自らの日本刀に創意と工夫を凝らす。
「作刀において最も重要なのは時代性」と宮入氏は言う。最高峰とされる平安末期・南北朝の頃の日本刀は江戸期のものと比べ、質感や量感が明らかに異なる。遥か古の時に想いを馳せ、古代の刀匠がどのような時代の中で、どのような技法で刀を作ったのか……。「最高峰の日本刀に触れ、古代の刀匠に問いかけ、自らの身体で感じ取る……。そして、鋼に『今の時代』の息吹を打ち込む」。業の冴えである。

【鉄の展示館】
http://tetsu.town.sakaki.nagano.jp/
長野県埴科郡坂城町坂城 6313-2
TEL:0268-82-1128
月曜および年末年始休館。観覧料大人 600円、中学生300円、小学生以下無料
長野新幹線「上田」駅でしなの鉄道に乗り換え「坂城」駅下車、徒歩 3 分

坂城町の中心部にある「鉄の展示館」を訪れると、故宮入行平刀匠の作品をはじめ、年5回の展示替えによる古刀から現代刀までの刀剣作品を間近に見ることができるほか、坂城町の産業についても知ることができる。じつは、坂城町は自動車部品や精密機械、金属加工など多くの中小企業に支えられた工業の町としても有名である。大小300社を超える地場企業が集積し、「1万7,000の人口と照らして『50人に1人は社長』といわれています(笑)」(学芸員・宮下修氏)。戦前に立地した疎開工場からの分離独立(スピン・オフ)した企業が多いのが特徴。「江戸時代は天領で、上田にも長野にも属さなかった。独立独歩の気風が根付き、起業家が育ちやすい環境にあったのではないでしょうか」(宮下氏)。

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