MetalOneつくると、つかうの、真ん中に。 株式会社メタルワン
  →HOME     →ENGLISH     →CHINESE     →サイトマップ  
Value One グループ広報誌
HOME > Value One グループ広報誌 > 鉄のある町 > 大田区
Value One Autumn 2008 No.22より
 

巨大なパラボラアンテナのへら絞りを手がける北嶋絞製作所

東京都大田区の京急蒲田駅からほど近い住宅街。ここに金属加工業を手がける従業員6名の小さな町工場がある。金属の表面に30ミクロンの溝を彫り込むなど微細加工を得意とする松浦製作所。顕微鏡でしか見えない微細技術にこだわる理由を松浦貴之社長は「得意技術を持たなければ大田区では生き残れない」と語る。大田区には現在、約4,700社の工場が林立しているが、松浦製作所のような従業員9人以下の会社が約8割を占め、小さいながらも世界に通用する優れた技術を持つ工場が互いに切磋琢磨しながら成長している。

髪の毛より細い精密ばねの製造技術を持つ小松ばね工業。もっとも細いもので30ミクロンの線材からばねをつくり出す。「世の中の移り変わりに応じて、お客様の求めるどんなばねでもつくってきた」と話す小松節子社長。顧客から試作用の図面をもらって開発に取り組むものの、量産化されるとすぐに他社に真似され、価格もどんどん安くなる。「競争は常に厳しいですが、お客様が当社の技術を高めてくれた」(小松社長)と新たな技術への不断の挑戦が会社の進化につながると確信している。

大田区は京浜工業地帯の中でもとくに中小工場が集積する町として、大阪の東大阪市などと並んで全国的に知られている。もっとも、明治末期までは東京湾の海苔養殖と麦わら帽子の材料となる麦稈真田ばっかんさなだの産地で、工業とは縁がなかった。風向きが変わったのは1923年の関東大震災。都心から多くの人や工場が移転し、住宅と工場が隣接する現在の「住工調和」の基礎を築いた。第二次大戦後は朝鮮戦争による特需景気や海苔養殖の衰退で工業への比重がさらに高まった。国道一号線や羽田空港など交通の要衝でもあり、高度経済成長の波にも乗って、ピーク時の73年頃には約9,000社の工場がこの地に集積した。

ある分野に特化した高い技術を持つ小さな工場が多いため、自社でできない加工は大田区内の別の工場に外注することで互いに助け合ってきた。それを大田区では昔から「仲間回し」と呼び、工業集積地の利点として最大限に活用してきた。「蒲田のビルの屋上から図面を紙飛行機にして飛ばすと、製品になって戻ってくる」という冗談があるほど、この町には金属加工のあらゆる機能が揃っている。切削、穴あけ、めっき、プレス、研磨、鋳鍛造、成形……。いずれも日本の製造業を支える基盤技術である。「多分、大田区内でできない加工はないと思いますよ。だから、わが社もこの町から出ていくことなど考えられない」と松浦社長。

直径約4メートルの巨大なパラボラアンテナ。1枚の大きな丸い金属板を四人がかりでお皿のように深みを加えていく。金属板を回転させながら、型に合わせて「へら」と呼ばれる金属の棒で圧力を加える「へら絞り」という特殊技術だ。47年の創業以来、一貫してへら絞りを専門にしてきた北嶋絞製作所は「H-Uロケット」を打ち上げるサブロケットの先端部品を製作するなど他社に負けない技術力を強みにしてきた。北嶋 實社長は「一人前のへら絞り職人になるには10年以上かかる。職人の技術こそが当社の生き残りのすべて」と言い切る。

競争の中から生まれた卓越した技術と職人気質こそが大田区の工業の真髄である。
大田区では、従業員数人の工場が多い(松浦製作所)



髪の毛ほどの精密ばね(小松ばね工業)



1ミリ角の金属片に30ミクロンの溝で描いた迷路(松浦製作所)




今年7月に行われた「大田区加工技術展示商談会」の様子
 
■(財)大田区産業振興協会は大田区の中小企業を支援する目的で1995年に設立され、展示会や商談会を開催するほか、経営全般のサポート・受発注相談・人材育成など単独の町工場では対応が難しい様々なビジネスサポートを行っている。
大田区の工業の特長として、同協会の大橋 弘・企画広報チームリーダーは「大量生産の加工は海外や地方に移り、大田区では多品種・小ロット・短納期に対応した、特注品や試作品などを手がける工場が多い。東京という地価や人件費の高い場所だからこそ、技術力を追求する会社が増えた」と指摘する。
2006年からはモノづくりに対する真摯な職人気質を継承していくことを目的に、「大田ブランド」の発信事業を開始。現在、約90社を認定企業として、「モノづくりの町・大田」を広く世界にアピールしている。
鉄のある町
2018年
2017年
弘前
広島
大阪
室蘭
2016年
福山
三郷
松戸
熊本
2015年
南さつま
墨田
佐野
2014年
大阪
人吉
奥州
2013年
広島
東京
川崎
西之表
2012年
大阪
山形
船橋
三条
2011年
北九州
名古屋
越前
浜松
2010年
三木
伊豆の国
大阪
2009年
稲沢
神戸
桑名
長岡
2008年
香美
大田区
鴨川
広島
2007年
釜石
東大阪
長浜
土佐
2006年
出雲
姫路
2005年
熊野
川口
西脇
2004年
港区
坂城
盛岡
グループ会社紹介
ニュース&トピックス
国内拠点の広場
ワールド・リンク
→サイトのご利用について →個人情報の取り扱いについて
(C) Copyright Metal One Corporation. All rights reserved.