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Value One グループ広報誌
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Value One Spring 2013 No.40より
 

種子鋏のサイズは4寸から8寸まである。写真右は7寸のもの

鉄砲伝来の地として有名な種子島。近年は日本で唯一のロケット打上げ基地のある島としても、その名が知られている。

種子島に鉄砲が伝わったのは1543年(天文12年)。漂流した明国船が種子島に辿り着き、その船に乗り合わせていたポルトガル人の持つ火縄銃を島主・種子島時尭たねがしまときたかが大金をはたいて買い求めた。早速、時尭は島の刀鍛冶である八板金兵衛清定に同じ火縄銃の製作を命じたが、金兵衛には暴発を起こさせないための銃底をふさぐ「ネジ」の構造がわからない。そこで娘の若狭をポルトガル人に嫁がせ、翌年、技師を種子島まで連れて来させることで、ついに国産第一号の火縄銃が完成した。その後、火縄銃の製造法は大阪の堺や滋賀の国友など全国に広まり、鉄砲の量産化により、戦国時代の戦闘方式も一変した。

ところで、種子島は中世より島内で豊富に採れる砂鉄を原料に「たたら製鉄」の行われた“製鉄の島”だったことは、案外知られていない。もっとも古い例では弥生時代の古墳から鉄製の釣針が出土しており、現在も島のあちこちに製鉄所の遺跡が残っている。16世紀半ばの種子島で鉄砲の製造が可能だったのは、こうした製鉄技術と無縁ではない。九州有数の産出量を誇った種子島の砂鉄の採掘は1950年代まで続いたという。

この島に古くから伝わる製鉄と鉄砲鍛冶の技術を現代に継承しているのが種子鋏 たねばさみ である。「切れば切るほど磨く」といわれる抜群の切れ味、そして持ち手と刃の中間に支点が位置する独特のデザインが特徴だ。種子鋏には鉄砲とともに日本に伝来したという説とそれ以前からあったという二つの説があるが、いずれにしても450年以上の歴史を誇る伝統工芸品である。古来からの伝統的な種子鋏の製法は現在、ただ一人の職人である牧瀬義文氏(牧瀬鋏製作所)に受け継がれている。最盛期の1935年頃には、年間17万本が生産されたというが、戦後は全国で鋏の機械化が進み、職人の手作業による種子鋏は衰退していった。種子島で37代続く刀鍛冶の家系に育った牧瀬氏は「明治の頃までは島の砂鉄からつくった鉄が材料だった。基本的なつくり方は刀と同じで、焼入れがもっとも難しい。二枚の刃のどちらかの焼きが甘くても使えない」とその繊細な技法を説く。

種子鋏の切れ味は種子島宇宙センターに勤務するエンジニアたちからも愛されている。種子島で唯一、牧瀬鋏製作所の製品を取り扱う土産品店では「ちょうどポケットに入る四寸の鋏が人気で、入荷してもすぐに宇宙センターの方に買われてしまう」(桑原立幸社長)という盛況ぶりだ。

古代のたたら製鉄と鉄砲伝来の歴史。その技術の粋が凝縮した種子鋏。そして、最先端の宇宙ロケット……。これらすべてが種子島という土地で時空を超えて不思議に交差する。牧瀬氏の元には現在、島内出身の若い弟子が鋏づくりを学んでいる。悠久の歴史の中で息づいてきた種子鋏。その技術や職人の心はこれからもこの島で生き続けるに違いない。
種子鋏のただ一人の職人である牧瀬義文氏


対になる二本の刃に小鎚で印を打つ


1543年にポルトガルから伝来した火縄銃(種子島時邦氏所蔵)



【種子島開発総合センター(鉄砲館)】
鹿児島県西之表市西之表7585 番地
TEL:0997-23-3215
開館時間:8:30〜17:00
休館日:毎月25日(7月・8月は除く)
入場料:一般420円、高校生270円、 小中学生130円

■ポルトガルから伝来した火縄銃や八板金兵衛のつくった国産第一号の火縄銃などを展示しているのが種子島開発総合センター(鉄砲館)。南蛮船をイメージしたユニークな外観の館内には国内外の旧式銃約100丁が展示されており、火縄銃の歴史や世界の鉄砲を知ることができる。さらに種子鋏の製造法を紹介したジオラマやたたら製鉄の遺跡などもパネルを使ってわかりやすく紹介している。また、種子島では鉄砲伝来(1943年8月25日)を記念して、毎年8月下旬に「種子島鉄砲まつり」を開催。当時の衣装に身をまとった人々による火縄銃の試射や行列など様々なイベントで壮大な歴史ドラマを感じることができる。

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