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Value One グループ広報誌
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Value One Spring 2009 No.24より
 


新潟県長岡市与板町で、400年以上の伝統を誇る与板打刃物。その歴史は上杉謙信の重臣であり、直江兼続なおえ かねつぐの義父でもある与板城主・直江景綱なおえ かげつなが1570年代に上越からこの地に刀鍛冶を連れて来たことに始まる。時代とともに刀の技術がかんなやのみなどの打刃物に移り変わり、江戸時代には町の中心を流れる信濃川を利用した商業ルートにも乗って、全国各地にその名が広まった。

現在、与板はかんなのみちょうなまさかりなどの大工道具で兵庫県三木市と並ぶ日本有数の生産地として知られている。与板打刃物の特長は「機械を使わずに一つひとつが伝統に裏打ちされた職人による手づくり」(与板商工会の金子敏栄さん)にあり、今も全国の名立たる宮大工が与板の大工道具を愛用している。

与板に限らず日本の打刃物は「鋼」と「地鉄」(生地なまじともいう)の複合構造でできている。刃の部分に相当する高硬度の刃物鋼(安来鋼)と本体にあたる柔らかくて粘りのある地鉄を約1,000度の炉の中で加熱・溶融させ、それを叩いて接合させることを繰り返すことで独特の鋭い切れ味を出す。与板で四代続くかんな鍛冶職人で伝統工芸士の水野清介氏は「もっとも難しい焼入れの温度管理は長年の経験と勘で決まる。二つとして同じものはできない」と言い切る。

与板打刃物の真髄は素材選びにも現れている。「明治初期より前につくられた生地がかんなには一番いい。非常に柔らかくて大工さんが研ぎやすいから。しかし、今ではそうした生地はほとんど手に入らないので、古い橋が壊されたと聞けば現地に行って自分の目で確かめ、仲間と古鉄を買い求めるのです」(水野氏)。素材へのこだわりも一級品のかんなを生み出すために昔から伝えられてきた知恵である。だが、水野氏は「在庫としてある生地も数年で底をつく。そうなると、与板伝統の高級かんなはつくれなくなる」と将来への懸念も口にする。

大工道具の「生きた化石」ともいわれるちょうな。杖の取っ手の先に刃を取り付けたような形で、つるはしのように柄を振り下ろし、その勢いを利用して木材の表面を削り出す。古墳時代の出土物にも見られる日本最古の大工道具である。現在、与板に日本でただ一人残る釿鍛冶の高木順一氏。この道56年の名匠だが、「十年もやれば誰でもモノをつくることはできる。が、大工さんに認めてもらって初めて一人前。今も毎日が修行ですよ」と鍛冶の世界の奥深さを説く。

性質の違う二つの鉄を焼き、叩いて一つにする。職人の手によって生命が吹き込まれる。そうしてできた打刃物だけが世界でただ一つの切れを導き出すのだ。



生地を炉で熱する「地づくり」の工程(水野鉋製作所)



水野氏の鉋。直江兼続の好んだ「知足」の文字が彫られている




【与板歴史民俗資料館】

新潟県長岡市与板町与板乙4356
TEL:0258-72-2021
開館時間:9:00〜16:30 月曜休館
入館料:大人300円、小人150円

■NHK大河ドラマで放映中の「天地人」は与板城主だった戦国武将、直江兼続の一生を描いた物語である。舞台の一つである長岡市与板町にある与板歴史民俗資料館(兼続お船ミュージアム)では直江兼続像や「愛」の字をあしらった兜のレプリカなどが展示され、連日観光客で賑わっている。与板名産の打刃物も日本一大きい鉋を始めいろいろ展示されている。また、与板打刃物の伝統を後世に伝える取り組みとして、毎年11月の第一日曜日に与板の鍛冶屋の有志による「ふいご祭」が町内の神社で開かれている。伝統的な打刃物の技法の継承を目的にしたイベントで、白装束を身につけた職人が実際に鉋やのみなどをつくる「古式鍛錬儀式」が見られ、こちらも観光客に人気の高い行事となっている。

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