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Value One グループ広報誌
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Value One Winter 2007-2008 No.19より
 


岩手県釜石市。1857年12月1日(旧暦)、南部藩士の大島高任たかとうが、この地で日本初となる洋式高炉での連続出銑に成功した。黒船来航から五年後のことである。外国船を打ち払うための大砲の生産が急務の時代、日本独自の製鉄技術である砂鉄から鉄をつくる「たたら製鉄」の鉄では砲身や砲台の強度を保てず、鉄鉱石から鉄をつくる高炉技術の確立が求められていた。当時、薩摩藩にも高炉はあったが、連続出銑に成功したのは釜石が初めて。釜石西部の大橋での成功を受けて、橋野、佐比内、砂子渡、栗林に江戸末期から明治半ばまで、この地に合計十基の高炉が建設され、鉄鉱石から「強い鉄」がつくり続けられた。当時の釜石は近代製鉄法による鉄づくりの一大集積地であり、日本における近代製鉄発祥の地なのである。
大島高任が、洋式高炉の建設地として釜石を選択した理由はいくつかある。鉄鉱石を採掘可能な鉱山があり、燃料となる木炭用の森林資源にも恵まれている。そして、高炉に空気を送り込むふいごの動力源に北上山地を流れる河川に水車を並べて利用できる。大橋、橋野の三基の高炉が平野部や臨海部ではなく標高600メートルと比較的高い場所に位置し、河川に沿って緩やかな斜面に並ぶように建てられたのは、動力源として水車を利用したことからだ。高炉一基の大きさは、高さ7メートル、直径1.3メートル程度。高さ70センチ、一辺が1.5メートル程の四角い花崗岩を積み上げ、その内側には耐火煉瓦を積み上げた構造だ。一つの高炉を耐火煉瓦の寿命に合わせておよそ30〜40日間稼働させて改修し、改修期間中に別の高炉を稼働させるというローテーションで、1年間を通しての操業を実現していたと考えられている。
初出銑から約20年後の1880年、現在の新日鐵釜石製鉄所の地に、その前身となるわが国初の官営製鉄所が建設されたものの、3年後には廃業となる。その後、東京「鉄屋」の田中長兵衛・横山久太郎が官営設備の払い下げを受け、1886年に49回目の挑戦で連続出銑に成功。それに伴い大橋、橋野の高炉は1894年、約40年間にわたって燃え続けた高炉の火を落とした。しかし、この地で育まれた近代製鉄の技術は官営製鉄所から釜石鉱山、富士製鐵などを経て、現在の新日本製鐵釜石製鉄所へと受け継がれていった。釜石製鉄所も1989年に高炉を休止し、線材の単圧製鉄所となり、現在では自動車タイヤに用いられるスチールコードの生産量で全世界の四分の一程度を占める世界有数の生産拠点となっている。

連続操業に成功した当時の高炉




現在の釜石製鉄所。スチールコードの世界有数の生産拠点である


新日鐵は釜石市とともに高炉休止後に企業誘致を積極的に進めてきた。現在、製造業を中心に多くの企業が釜石に拠点を構え、地場の雇用も大幅に拡大。昨年には内陸部と沿岸部を結ぶ仙人峠道路、釜石港公共埠頭の増強、湾口防波堤の概成など新たな産業・物流拠点としてのインフラの整備が完成し、さらなる企業誘致の追い風になると期待されている。近代製鉄が生まれた町・釜石は長年培ってきたモノづくりの精神を継承し、新たな産業都市へと変貌を遂げようとしている。

釜石製鉄所の高炉の火は、現在も釜石の象徴として燃え続けている



【釜石市立 鉄の歴史館】
岩手県釜石市大平町3丁目12番7号
TEL : 0193-24-2211
開館時間:9:00〜17:00
休館日:毎月末日(日祝祭日の場合は翌日)、12月28日〜31日
入場料:一般500円、高校生300円、小・中学生150円


■鉄の町・釜石から始まった日本の近代製鉄の歴史について幅広く、詳細な資料が展示されているのが「釜石市立 鉄の歴史館」。橋野高炉を原寸大で復元した模型のあるシアターでは、当時の高炉操業の様子がわかりやすく解説されているほか、大島高任の業績についても詳しく知ることができる。また、展示コーナーは「鉄文化の黎明」、「近代製鉄の発進」、「製鐵産業と釜石」というようにテーマごとに分けられ、歴史的に貴重な資料をもとに釜石の製鉄業に関する知識を深められる。日本製鐵時代、富士製鐵時代、新日本製鐵時代と時代変遷にあわせた資料も展示され、新日本製鐵釜石製鉄所の「最後の鉄鉱石」、「最終製造コークス」、「最終出銑釜石型銑」も展示されている。

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