MetalOneつくると、つかうの、真ん中に。 株式会社メタルワン
  →HOME     →ENGLISH     →CHINESE     →サイトマップ  
Value One グループ広報誌
HOME > Value One グループ広報誌 > 鉄のある町 > 伊豆の国
Value One Autumn 2010 No.30より
 

高さ約16メートルの韮山反射炉

東京・台場。その周辺は東京臨海副都心として「お台場」と呼ばれ、ホテルや遊園地、コンベンションセンター、テレビ局などが立ち並び、大勢の人で賑わう。台場とは幕末に各藩が日本各地に築いた砲台である。品川台場(品川砲台)は、ペリーが来航した1853年、江戸湾防衛のために幕府が急きょ建設したもので、二度目の来航時に品川沖まで来たペリーを横浜まで引き戻した。現在、レインボーブリッジの眼下に見える小島には、かつて20余もの大砲が備え付けられており、異国船の攻撃に備えていたのである。

その建設責任者に任命された韮山代官の 江川太郎左衛門英龍 えがわたろうざえもんひでたつ は、1837年より33通もの建議書を幕府に提出し、海防政策の重要性や大砲建造のための反射炉の建設を進言していた。反応の鈍かった幕府も、ペリー来航により一転して海防に目覚め、江川英龍にその指揮を任せたのである。

江戸時代の製鉄技術は、砂鉄からつくる日本独自の「たたら」が主流だったが、たたらでは大量の鉄を生産できないうえ、不純物も多く、大砲などの鋳造には適さなかった。そこで着目されたのが当時欧州で広まっていた反射炉だった。反射炉は、燃焼室と加熱室が分かれた構造になっており、燃焼室で燃やされた石炭の熱を加熱室の浅いドーム型の天井や側壁に反射させることにより、銑鉄などを溶解する設備である。

早くから西洋文明への関心の高かった江川英龍は「ライク王立鉄大砲鋳造所における鋳造法」(ヒュゲーニン著)という蘭書を基に、反射炉の建造に取りかかった。もっとも、日本で初めて反射炉の建設に成功したのは佐賀藩である。佐賀藩主の 鍋島直正 なべしまなおまさ は江川英龍とも度々情報交換を行い、1851年に反射炉を完成させている。江川英龍は当初、下田で反射炉の建設に着手したが、1854年のペリー艦隊再来航時に、水兵が反射炉建設地に進入したため、急きょ韮山(現在の伊豆の国市)へ建設地を移転した。

江川英龍は1855年に病死したが、後を引き継いだ江川英敏は佐賀藩に技師の応援を求め、1857年11月に反射炉は完成。1864年に使用が中止されるまで数多くの大砲が鋳造され、品川砲台にも納められた。

反射炉は幕末に、佐賀や韮山だけでなく、薩摩藩、水戸藩、鳥取藩、萩藩などで次々と建造された。しかし、現存する反射炉は韮山と萩の二つしかなく、とくに当時のままの姿を残している韮山反射炉は世界でも例のない貴重な産業遺産である。高さ約十六メートルの炉を二基連結し、さらに同じものを直角に配置したL字形で、四つの溶解炉が同時に稼働できる設計になっている。

南部藩の大島 高任 たかとう が釜石で日本初の高炉による製鉄に成功したのが1857年。以降、日本の製鉄技術は明治維新とともに急速に進歩していく。反射炉が活躍したのは幕末のほんの数年にすぎないが、海外の書物をベースにこれほどの設備をつくり、また操業したという点でも日本製鉄史に大きな足跡を残している。
銑鉄を入れる鋳口。左は燃料を入れる焚口



台場公園(第三台場)に残る砲台跡




靖国神社に保存されている韮山製のカノン砲

【韮山反射炉】
静岡県伊豆の国市中字鳴滝入268
TEL:055-949-3450
開館時間:午前9:00〜16:30、休館日:年末年始(12月28日〜1月3日)
入場料:大人100円、小・中学生50円

■「泰平の眠りをさます上喜撰(じょうきせん)たった四はいで夜もねられず」。この狂歌は1853年にペリー艦隊が浦賀に現れた時の江戸の騒動ぶりを風刺したものである。上喜撰とは高級茶の銘柄で、蒸気船とかけている。その後、幕府は外国艦船の攻撃から江戸を守るために台場(砲台)の築造を命じ、江川英龍は品川沖に六つの台場を建設した。現在も東京湾にはそのうちの二つ、第三台場と第六台場が残されている。第三台場は台場公園として国指定の史跡に指定され、市民に公開されている。また、靖国神社の遊就館には韮山反射炉でつくられた前装火縄式のカノン砲「三百匁玉旋條砲」が展示されている。

鉄のある町
2018年
2017年
弘前
広島
大阪
室蘭
2016年
福山
三郷
松戸
熊本
2015年
南さつま
墨田
佐野
2014年
大阪
人吉
奥州
2013年
広島
東京
川崎
西之表
2012年
大阪
山形
船橋
三条
2011年
北九州
名古屋
越前
浜松
2010年
三木
伊豆の国
大阪
2009年
稲沢
神戸
桑名
長岡
2008年
香美
大田区
鴨川
広島
2007年
釜石
東大阪
長浜
土佐
2006年
出雲
姫路
2005年
熊野
川口
西脇
2004年
港区
坂城
盛岡
グループ会社紹介
ニュース&トピックス
国内拠点の広場
ワールド・リンク
→サイトのご利用について →個人情報の取り扱いについて
(C) Copyright Metal One Corporation. All rights reserved.