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Value One グループ広報誌
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Value One Spring 2008 No.20より
 


安土桃山時代の大盗賊だった石川五右衛門が京都の三条河原で釜茹での刑に処されたという伝説にちなんで、鉄釜製の風呂を「五右衛門風呂」と呼ぶようになった。もっとも当時、鉄は非常に貴重な資源であり、風呂釜全体を鉄でつくることはなく、鉄の底釜に木製の湯桶を取り付けたものが一般的だった。

戦前には全国生産量の約8割を占めるなど五右衛門風呂の一大生産地として有名だったのが広島市の可部(現安佐北区可部)。市の中心地から約15キロメートル北に位置する可部は江戸時代、鋳物の町として栄えた。石見銀山(島根県太田市)や出雲のたたら製鉄など中国地方で産出される資源の中継基地であったことから、たたらを使った鋳物産業がこの地に根付いた。

明治時代に入り、近代製鉄法による鉄の生産が飛躍的に増加すると、風呂釜全体が鉄でできた五右衛門風呂が登場。可部の鋳物職人が当初、「広島風呂」や「芸州風呂」として売り出したものの、佐幕派だった広島ではイメージが良くないと考え、隣県(現山口県)の名を借り「長州風呂」と名付けて大ヒットした。

現在、国内で唯一、五右衛門風呂の生産を続けているのが天保二年(1831年)創業の大和重工(本社・広島市)。同社は明治初期より五右衛門風呂の生産を手がけ、その爆発的な売れ行きにより会社の礎を築いた。第二次世界大戦前は朝鮮半島や台湾、満州などへも輸出され、ピーク時には年間約12万個を生産した。しかし、その後、ガスの普及や公団住宅の造成などの影響で、ホーローやFRP、ステンレスなどの浴槽に急速にそのシェアを奪われていった。

五右衛門風呂は同社の吉田工場(安芸高田市)で現在、月間約50個生産されている。主な顧客は個人向けが多く、最近では温泉旅館や別荘などで設置する例も多いという。
長い歴史のある五右衛門風呂だが、江戸時代までその一つひとつが手作りだったため、製造方法や図面が記録として残されていない。このため同社では現物を解析して再現しているが、明木めいき達成工場長は「現在に伝わる五右衛門風呂はその形状や鉄の厚みに至るまで実に良く考えられていて、今も当社の技術に活かされています」とそのレベルの高さに着目する。現在は鋳物ホーロー浴槽の製造と同様にVプロセス法と呼ばれる真空鋳造技術が用いられている。電気炉で銑鉄やスクラップを溶かし、溶湯を砂型に一瞬で流し込む。しばらく常温で冷却した後、砂型を壊し、まだ赤みの残る製品を取り出す。表面を処理し、防錆油を散布すれば完成だ。

五右衛門風呂の技術は今も伝承されている。写真は「型引き」と呼ばれる砂型をつくる作業





鋳型(写真は大型釜用)。真空鋳造法で大量生産が可能だ





溶湯を砂型に流し込むと火の粉が一面に飛び散る

工場の敷地内に体験用の五右衛門風呂が設置されていた。せっかくの機会なので実際に入浴させてもらうことにした。かまどに薪をくべ、直火で釜を沸かす。足の裏が釜に触れないよう底板を沈めて入浴する。初めはお湯が熱かったため、少し水を足してもらった。直火のため温度調節は難しいが、壁越しに声を掛け合う様が「人と人のふれあい。心も温まる」(明木工場長)と古き良き生活文化を感じさせる。釜そのものが熱されているため、お湯が釜の中で対流する。微量な遠赤外線も発していて、体の芯まで暖まる。今も根強い人気がある理由を肌で感じた気がした。


簡易型の五右衛門風呂「湯牧民」

■震災時に体育館などに長期避難した場合、被災者の生活で困ることの一つが入浴である。大和重工は1995年の阪神淡路大震災の直後に社員を現地に派遣し、調査した。そこで開発されたのが簡易型の五右衛門風呂である「湯牧民(ゆうぼくみん)」。かまどと一体型の設計で、一坪程度の土地があればどこでも設置することができる。災害時だけでなく、アウトドア用としても使用できるため、キャンプ場などでの需要も広がっている。

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