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Value One グループ広報誌
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Value One Autumn 2017 No.58より
 

独特の美しい形をした津軽型剪定鋏

日本一のりんご生産を支える伝統の技

日本一のりんごの生産地である青森県。全国の実に60%近い年間約47万トンを生産する。中でも弘前市は最大の約18万トンの収穫量を誇る。

りんごは日本古来の果実ではなく、明治初期に米国から伝わった。内務省がりんごの苗木を全国に配布し、青森では1875年(明治8年)に初めて県庁構内に植えられた。りんごは、冷涼で雨が少なく、昼夜の温度差が大きい地域で栽培に適しているため、青森県や長野県などで盛んにつくられるようになった。

りんごの栽培は年間を通して繊細で手間のかかる作業の連続である。りんごの赤色は太陽の紫外線によって生成されるのだが、果実全体にまんべんなく光を当てるために周囲の葉を摘み、定期的に実を回転させる。収穫が終わり、葉がすべて落ちた1月頃からは、樹の剪定作業が始まる。りんごの栽培の中でもっとも重要で、かつ難しいとされるのがこの剪定だ。良いりんごをつくるためには、樹の中まで日光が届き、風通しも良くなるよう枝を切り整えなければならない。「千本の木を切らなければ一人前になれない」と言われるほど剪定には熟練の技が求められる。

そして、そのりんごの剪定に不可欠なのが剪定鋏である。

青森では江戸時代、弘前藩の城下に刀や包丁、農具などをつくる鍛冶町が形成された。「津軽打刃物」として、現代まで継承されている伝統工芸である。明治時代に青森にりんごが伝わり、やがて全国有数の生産地になると、剪定鋏の需要も急増した。このため伝統的な打刃物の技術を応用した「津軽型」といわれる独特の剪定鋏が開発された。

刃先が斜めに曲がった美しいフォルム。長時間、枝を切り続けても疲れにくい形状を追求した結果、たどり着いた機能美である。刃が片方にしかなく、受け刃との間にわずかなすき間をあけることで、使うほどに切れ味が良くなる構造になっている。さらに、津軽の剪定鋏はすべて一本の「鋼」からつくられる。一般的な打刃物は、刃の部分だけが鋼で、他は地鉄と呼ばれる軟鉄との接合である。しかし、りんごの剪定には強い力が加わるため、柄まですべて鋼でつくることで、鋭い切れ味と高い耐久性を実現している。

創業130年の歴史を持つ三國打刃物店。今や弘前でも数少ないりんごの剪定鋏を製造する老舗だ。五代目となる三國徹さんは「刃の噛み合わせが一番大事。微妙な加減を調整するのが難しい」と先代から伝えられた技の奥深さを語る。

青森のりんご産業を支えるだけでなく、全国のスタンダードとして普及した津軽の剪定鋏。使うほどに手に馴染み、切れ味が増すという伝統の鋏は日本一のりんご生産者のニーズに応えながら、ともに進化を続けている。

真っ赤に熱せられた鋼を打つ三國さん



鍛冶場と販売店も兼ねる三國打刃物店





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