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Value One グループ広報誌
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Value One Spring 2011 No.32より
 

約230本の弦を一本ずつ丁寧に張っていく(ヤマハ・掛川工場)

楽器の王様と呼ばれるピアノ。一音でも和音でも美しい音色を奏でることができるピアノは、鉄鋼技術の発展とともに進化してきた。

ピアノの鍵盤を押すと中のハンマーが動き、ミュージックワイヤー(ピアノ線)と呼ばれる弦を叩く。その振動が響板を介して空気中に放たれることにより、音が響く仕組みになっている。一台のピアノに張られている弦の数は約230本。より豊かで美しい音を出すためにすべての弦が強い力で張られており、その張力は20トンにもおよぶ。この張力に耐えるため、フレームは頑丈な鋳鉄でできている。グランドピアノの場合、約300キロの重さのうち、3分の1を鉄が占める。

ピアノが発明されたのは1700年頃。イタリアでチェンバロを改良してハンマーアクションを備え、強弱をつけられるようにした。貴族の間でしか用いられることがなく、大きな音も必要とされなかったピアノだが、十八世紀末にホールなどで演奏会が開かれるようになると、より大きな音が求められた。そのためには強い力で弦を張らなければならず、鋼製の弦や鋳鉄製のフレームが生まれたのである。

日本では1900年にヤマハの創業者である 山葉寅楠 やまはとらくす が国産初のピアノ製造に成功した。もともと和歌山で医療器械を扱っていた寅楠は浜松でアメリカ製のオルガンと出会い、すぐさま国産第一号のオルガンを製作。その後、単身アメリカに渡り、ピアノの製造技術を学んだ。現在、世界最大のピアノメーカーであるヤマハはこれまでに累計約630万台のピアノを世界に送り出している。

百年以上にわたり蓄積されてきた同社の製造技術はピアノの音色と同様に細部へのこだわりをみせる。その一つがフレーム。ヤマハは世界のピアノメーカーでも極めて珍しく、自社のフレーム鋳造工場を持つ。「Vプロセス鋳造法」と呼ばれる真空鋳造で精度の高いフレームを生み出している。約230本もの弦を張る工程も一本ずつ人による手作業だ。芸術を奏でるピアノは工業製品でありながらも、職人芸のように鍛錬された人の技術に支えられている。

音源として最も重要なミュージックワイヤーには、高純度の炭素鋼が用いられている。日本で唯一、生産を手がける鈴木金属工業は1950年にヤマハと共同で国内初のミュージックワイヤーを開発した。ミュージックワイヤーは13番(0.775ミリ)から26番(1.6ミリ)まで23種類あり、線材の成分調整はもとより、ピアノの弦としての品質特性を満足させるための厳格な規格が求められている。熱処理や伸線などの加工技術は脈々と受け継がれた精妙なバランスで成り立っている。「同じ音色を出すためにワイヤー製造工程においても、より精度の高い管理が必要とされる、非常に奥の深い世界です」(上田展也・特品販売部長)として、同社・習志野工場では40年を超えて最高品質を追求した生産体制をとっている。

温暖な気候が製材業や楽器産業を育み、それらモノづくりの文化がオートバイ、自動車などへ発展した浜松。昔と変わらぬモノづくりの精神は職人技とハーモニーを奏でながら、ピアノの中に息づいている。

約100キロのフレームを本体に取り付ける




鋳造されたばかりのアップライトピアノのフレーム





鈴木金属工業のミュージックワイヤー


【浜松市楽器博物館】
静岡県浜松市中区中央3-9-1
TEL:053-451-1128
開館時間:午前9:30〜17:00、
休館日:毎月第2・第4水曜日 (祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
観覧料:大人400円、高校生200円、中学生以下は無料

■日本のピアノ発祥地である浜松は今や楽器の町として世界的に知られている。ヤマハや河合楽器製作所など日本を代表する楽器メーカーが浜松に本社を置くほか、全国で唯一の公立楽器博物館も開設されている。浜松市楽器博物館は1995年に設立され、日本のみならず世界の様々な種類の楽器を展示している。中でもピアノは18〜19世紀の欧州の貴重な現物が保存されている。併設されたホールでは、ベートーベンやシューベルト、ショパンなどが生きていた頃のピアノで演奏会を開くなど、ここでしか聴くことのできない貴重な音色を体感できる。また、ピアノを製造するヤマハ・掛川工場では工場見学(無料・予約制/電話0537-24-8069)を受け付けており、伝統技術と現代のテクノロジーとによって生み出されるグランドピアノの製造工程を間近で見ることができる。

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