バングラデシュは、日本の4割に満たない国土に、1億4千万人以上の人が住んでいます。インドに取り囲まれるように位置していますが、国民の約9割はイスラム教徒であり、イスラム教が生活に根ざしています。ただ、その昔は東南アジア、チベット、西インド地方に影響を及ぼす仏教の一大中心地であったことはあまり知られておらず、世界遺産として登録されているパハルプールの仏教寺院遺跡群をはじめ、価値の高い仏教遺跡も点在しています。 気候は、4月〜9月の雨季は湿度が90%を超える日もあるのでとても蒸し暑く、ピーク時には国土の約3分の1が冠水します。下流地域では、洪水によって土地が流されてしまうことも珍しくなく、土地を失った農民による訴訟裁判も絶えません。
当地に来て一番驚いたことは、ラマダン(断食期間)明けのイード(犠牲祭)です。イードは、日本でいう正月のようなもので、一年のなかでも最も大切な行事のひとつです。牛やヤギを犠牲に捧げ、その肉を解体して三等分し、3分の1を自分で、3分の1を神様に、残り3分の1を貧しい人に振る舞うというのが習わしとなっています。この時期には陸路コルカタから大量に牛が入ってきて、街のいたるところに牛市ができます。また、道端には文字通り血の川が流れるので、初めてこの光景を目にしたときはさすがに驚きましたが、こうした異文化体験ができるのも貴重な経験です
ここバングラデシュでは、様々な食材を使ったカレーが楽しめます。肉、魚、野菜の各種はもちろん、豆やマンゴーを具材としたものやココナッツ、ヨーグルトのカレーもあり、とてもバラエティに富んでいます。辛さはインドカレーほどではなく、あまり癖もありません。肉か魚が入ると30〜50タカ(約50円〜80円)しますが、野菜だけだと5タカ(約8円)ほどで食べられるので、とにかく安く、腹持ちもいいので庶民の味方です。 ちなみに、この国は、宗教上お酒の飲めない国なので、食事で来客をもてなす風潮があります。お客さんのところへ訪問する際には「極力お腹を空かせて行く」のがルールです。
バングラデシュは、在留日本人が少ないがゆえの団結力があり、様々な分野の方々との交流があります。アントニオ猪木氏が南アジアでのプロレス興行ツアーの下見のために当地を訪れた際、顔をビンタしてもらう機会などもありました。 生活スタイルも違い、イスラム教国でもあり、文化や環境は日本とはだいぶ違うこの国で生活できるのも、やはり商社パーソンとしての醍醐味です。